きしん

ギルバート・グレイプのきしんのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.6
鯨、動く…

アイオワの片田舎で、変わぬ日常が変わり始める

淡々と流れていく家族の生活風景、でも少しずつ動いていく様が
ずっと留まっているのに、さながらロードムービーを観ている感じだった
変に盛り立てることもなくありのままを映しているような演出だったからだろうか
人によってはそれがつまらないと思ってしまうかもしれないが、個人的にはそこが高評価

・行けない
・行きたい場所がない
・どこへでも
の移り変わり
カーバー夫人の「子供達にはあなたのような"いい人"になってほしい」
受け手や見方によってはこれもひとつの皮肉か

ベッキーのあっけらかんとした性格もギルバートには救いだったのか
カマキリトークとかはちょっと肝が冷えたろうけど

今もって入れない地下室
家は騒々しく息つく間もなく、妹の牽制に武力行使

最後はまさかああなるとは…
「HAPPY☆BIRTH☆DAY」が燃えるとこはちょっときちゃうなぁ
縛っていた鎖を断ち切る意味もあったんだろう
What's Eating Gilbert Grape(原題)

父の遺産
夕陽のシーンは綺麗だったな
「ここから見ると小さい」って言ったのも印象的
自分が必死に守っているものはあんなに小さいのかとか、
あるいは責任感から普段は大きく感じていることの示唆とか、
自分の抱えているもの、客観的な視点、一種の形骸化の象徴、
そういうことの表現のひとつだったと解釈した

イケメンブラザーズ
デカプってこんな演技力あったのかとどうしても目を引いてしまうけど、
実はすごいのデップっていうね、輝いてるよ Love, Mama

町の住人も基本的にいい人ばかり
食料品店の店主夫妻とか、保険の心配するカーバーさんとか
特にタッカーが好きだった
あれこれ家の修理を手伝ってくれたり、葬儀中にバーガーバーンの移動店舗を見て
はしゃぐアーニーに微笑むところがよかった
彼もまたバーニアンということか…(ジロリアン的な)

姉のエイミーがちょっと石野陽子に似てる

エアストリーム
デモインで何の大会があったのかだけ気になる

思うところがいっぱいある良い映画だった
思うことがありすぎてほぼ箇条書き
もう一回観たらまた書き加えそうなので消さずに遺しておこう
きしん

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