五十嵐忠雄

ギルバート・グレイプの五十嵐忠雄のネタバレレビュー・内容・結末

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

若かりし頃のジョニデとレオさま

主人公ギルパートは家族を支えながらスーパーでバイトをし、亡くなった父の代わりにならざるを得ないような役割になっている
面倒見がよいお兄ちゃん!

お父さんなくなって過食症のお母さんいるだけでも大変なのに知的障害の弟の面倒みるって大変だよな…

ベッキーに望みを聞かれたとき、新しい家とかお母さんにエアロビクスとか家族のことばかりで、面倒見るのは嫌いじゃないというか、ごく自然なこととして受け入れているというか、寡黙に見えてすごく利他的だし献身的。ただこれは本当に自分のこと考える余裕が今まで無かったからだからすごく切ない。自分の望みは悩んだ挙句「いい人間になりたい」と。お前…もうそこまで頑張んなくてええんやで…。限界やんけそれもう。疲れてる証拠だよ…。
自分はこんなに苦労しているんだみたいな感じは一歳なく、父の自殺や家庭環境がやはり背後にあるから、ずっとどこか印象が仄暗いし、感情を押し殺している感じ。

弟は良いお兄ちゃんもって良かったね。
ケタケタ口を大きく笑い、悲しいときはワンワン泣いて、木登りが好きで、マイペースで、愛嬌ある純粋な心を持ったアーニー…君はほんとうに愛されて育ってるね…。

姉妹2人はアーニーのことなんとなくギルバートに任せっきりで、やっぱりあの子たちも心に余裕がなさそう。いっぱいいっぱいだよね。色々限界。

母親がねぇ、結構毒親…
心に傷をおって、過食症になってしまったし、本来ならカウンセリングとか医療のベースに乗せるべきなんだけどもね…狭い田舎とあの暮らしなら難しいよね。保険も入ってないというし。
それ言ったらアーニーだって医療のベースにのせてあげるべきなんだが

誕生日直前、限界にきたギルバートはアーニーを平手打ちしてしまう。よく耐えてるよ本当に。面倒み良かったり我慢強かったりするのは非常に8種(突然の体癖)

最終的にアーニーと共にいることを選んだギルバート、お前本当に偉いよ。そしてベッキーが良い子すぎる。早く結婚しろ。

最後は母の亡骸と共に家を燃やした。
母と家族の意思を尊重した結果だし、重荷だよあれは。燃やして正解。身軽になろう。

エミー!!昇進した!!!良かった!!良かったよおおおみんな幸せに生活してくれ

家族や田舎に縛られた青年の話、というのは表面上のことで、この映画の真髄は
今まで良い人であろうと心の奥底の呪縛をベッキーというひらけた精神を持った女性によって自分という人間を感じて、自分自身の人生を歩もうとする、殻に閉じこもった青年の再生の物語なのだと思いました。
五十嵐忠雄

五十嵐忠雄