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ギルバート・グレイプのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
3.9
劇作家ピーター・ヘッジスの初小説を自身が脚色し、「マイライフ・アズ・ア・ドック」「やかまし村の子どもたち」で注目されたスウェーデンのラッセ・ハルストレム監督がハリウッドで撮ったヒューマン・ドラマの秀作。
原題:What's Eating Gilbert Grape (1993)
 
アイオワ州エンドーラ、人口1000人程の小さな田舎町。
ギルバート24歳(ジョニー・デップ)は、知的障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、過食症の母親(ダーレン・ケイツ)、2人の姉妹(ローラ・ハリントン、メアリー・ケイト・シェルハート)の面倒を見ていて、一度もこの町を出たことがなかった。
家族想いで心やさしいが自分の将来のことを何も考えず日々生きているギルバートの前に、トレーラー・ハウスで祖母(ペネロープ・ブランニング)と旅を続ける少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)が現れ、クルマの故障が直るまで数日間滞在する…。

「ジェリー、息子を返して。…私の息子よ。返して!」

「外見の美しさなんてどうでもいいの。長続きしないから。何をするかが大事よ。あなたは何をしたい?
わからない。ここではすることがあまりないから」
I’m not into the whole external beauty thing. Because it doesn’t last. It’s what you do that really matters. So what do you want to do?
I don’t know. I mean, not so much to do here really.

「それは…あなたがずっとここにいると思ったからよ。ここを離れられないから」
Because... I knew you'd always be there. Because I knew you'd never leave.

「僕は、いい人間になりたい」
I want to be a good person.

「ママを笑い者にはさせない」I'm not gonna let her be a joke.

「アーニーはどこに行くのかと聞いた。僕は言った。行きたいところには、どこへでも行けると」
Annie asked where we are going to, I said, we can go anywhere if we want.

・大型スーパーに客を取られ客足が少なくなった食料品に勤め、弟や母親の世話で町を離れられないジョニー・デップ(の心情)、
・知的障害があり、もうすぐ18歳の誕生日を迎えるが、木に登ってかくれんぼすることが好きで、町の給水塔に登って大騒ぎを起こすなどやんちゃなレオナルド・ディカプリオ(ベストな演技)、
・17年前に夫が突然首吊り自殺し、そのショックから外出もせず食べ続けて鯨のような肥満体型になっているダーレン・ケイツ(体も存在感もインパクト大)、
など役者がとてもよい感じで演じている。
・なお、食料品のお客でギルバートの不倫相手ベティ・カーヴァー夫人役はメアリー・スティーンバージェン、その夫役はケヴィン・タイ。
・ギルバートの友人役でジョン・C・ライリーとクリスピン・グローヴァーも出ています。

ラッセ・ハルストレム監督の人間を見る目がとてもやさしい。
イングマル・ベルイマンの作品で有名なスヴェン・ニクヴィストのカメラも美しい。
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