ナガノヤスユ記

蛇の道のナガノヤスユ記のレビュー・感想・評価

蛇の道(1998年製作の映画)
4.0
動機という次元とは異なる意味での、無意味な暴力。2つのレイヤーに響く、「終わりのない」復讐。意味のない暴力や残忍さがいちばん怖い、が、それが実は暴力のマジョリティなのだと、この映画は観客の背後からそっと囁く。
明日公開のフランスリメイク版についても色々な評価や噂を見聞きするけど、素直に楽しみだと思えるのは、このシンプルな復讐劇が超極私的な、ゆえに普遍的な人間の悍ましさについて語るのに、ほぼ完璧なフォーマットであると確信しているから。しかも、それを発明者である監督本人が四半世紀を経て再解釈したのだから、私はおそらくどんな結果でも満足できるに違いない。