クリーム

落下の王国のクリームのレビュー・感想・評価

落下の王国(2006年製作の映画)
4.1
24ヵ国で撮影され、13の世界遺産を使い、 撮影に4年、構想から26年掛かったらしいです。 超絶美しい映像の数々や衣装も豪華絢爛。世界遺産なので美しさのレベルが違う。
主演で上の前歯4本が無い、エミリー·ワトソン似の少女が作品にピッタリ。微妙に可愛く無いけど、可愛く見えてくる感じが良い。内容も現実と物語の絡み方が上手く、面白い作品でした。

腕の骨折で入院していたアレクサンドリアは、 下半身不随になったスタントマンのロイと出会う。彼は、退屈していたアレクサンドリアに物語を聞かせてくれます。話が聞きたくて、毎日訪れる様になったアレクサンドリアにロイは、お願いをするのですが…。



ネタバレ↓
(話が複雑なので長いです)


☆は現実★は物語。
☆ロイは、自殺を考えていました。アレクサンドリアを使って自殺用の薬を運ばせようと考えつき、彼女と仲良くなる為、作り話を聞かせ、手懐けます。
★物語の内容は、ある島に追いやられた5人の男達。皆、総督オウディアスへの復讐に燃える者達でした。元奴隷のオッタ·ベンガ、妻を殺されたインド人、爆発物の専門家ルイジ、生物学者のダーウィン、仮面の男·黒山賊(ロイ自身)。ダーウィンの案で、象に乗り海を渡り、島から脱出。すると不思議な大木が爆発し、木の中から霊者の男が出て来て合流した。彼も総督に野山を焼き払われ恨みを持っていた。一同は黒山賊の双子の弟·青山賊を救いに総督の砦へと向かったが、青山賊は既に殺されていた。一同は、霊者の導きで旅を続けます。
☆話の続きを聞きたがるアレクサンドリアに薬がないと寝不足で話が出来ないと、内緒でモルヒネを持って来てと頼む。しかし、最後の文字を3と勘違いした彼女は、モルヒネを3粒だけ持って来た。仕方なく話を続けるロイ。
★一同は、途中で総督の奴隷の群れに出会い、彼らを開放し、姫を連れ出した。
☆ロイは、今度は同室の患者の棚の中の睡眠薬を持って来させ、それを飲みながら話を続ける。
★黒山賊が姫との結婚式をしていたら、司祭が裏切り彼等は総督側に捕まった。
ロイの意識が朦朧とすると物語も変化していく。ピンチに袋から、少女が現れ、皆の縄を解いた。彼女はアレクサンドリアで、黒山賊の娘だと言う。
☆ロイは意識を失った。
しかし、ロイが飲んだのは単なる砂糖だった。まだ生きている自分に怒り暴れる。彼を元気にしようと再びモルヒネを盗みに行く少女。しかし床に落下してしまった。ベッドで目を覚ますとロイがいた。物語の続きをせがむ少女。渋々、結末を語り始める。
★最後の対決。ダーウィンと相棒の猿が撃たれ、ルイジは囮になり自爆。霊者を助け様とした娘を庇いオッタ·ベンガが死亡。黒海賊と娘、インド人はロープを使い砦へ。インド人が犠牲になった。
そして、総督対黒山賊。不意打ちを食らい池の底へ沈んで行く。しかし反撃しない黒山賊。
★☆ここからは、2人で話を作る。
アレクサンドリアはロイに死んで欲しくないと訴える。そして、その言葉に励まされたロイは、黒山賊を生かす。黒山賊は総督を倒し、娘の元へと向かった。
☆その後、病院内でロイの映画を観て、映画が好きになったアレクサンドリア。ロイのほかの映画も見続ける彼女。ロイは復帰したのだった。

少女を使って自殺しようなんて、酷い話なのだけど、抜け目だらけの話なので笑えてしまう。退屈で寂しい少女と絶望し自殺したい青年が物語を通して、交流し励まし合う姿が素敵でした。最終的に2人で話を作り、良い方向に進んで行くのもこの作品ならアリ。
だけど、一番の見所は世界遺産の凄~く美しい映像の数々、水は透明、自然のコントラスト、奇怪な建物、美しく豪華絢爛な建物。観れて良かったです。
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