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嫌われ松子の一生のはのレビュー・感想・評価

嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)
3.5
投げたコインの裏表、のようなランダムな出来事を人間に予想させると、確率が均等になるように、同じことの連続を避けて予想する傾向が強くなるらしい。
なので人間乱数という言葉を使い、本当の乱数とは区別している。
機械に予測させると偏りは当たり前に起きるし、自然界でも当然のように起きている。
本当にランダムな出来事は、人間が想像するより遥かに偏るのが真実。
貧乏くじだけを引き続ける人間っていうのは本当に存在していて、しかしその結果が偏りすぎているので、周りからはそれが本人のせいにしか見えなくなりもする。
まあ当然だろう。
本人もそう思ってるんだから。


巡り合わせも運も悪ければ、自分でも間違いを選び続けてしまう女性の話。
見えてる地雷を自ら踏みに行く部分もかなり多いので、観る人によってはかなり不愉快な部分も多いのではなかろうか。
割と自分の人生もこんな感じなので、色々共感してしまった…

悪い巡り合わせしか回って来ないと、本当に何が正しいのか判断できなくなるんだよね…
正しさというものは相対的なので、選んだタイミングによっては間違いになる事なんて当たり前にある。
前回間違っていた部分を正して、今度こそは一度も間違いを選ばず進んできたつもりのことが、その回では全部間違いなんてことも当然普通にある。
もしも正解を選んだとしても、そこでの正解はその後のさらに巨大な間違いの伏線になってるってこともある。

道のどちら側かを歩く事が、事故に巻き込まれる命運を分ける事があるように、「タイミングによる間違い」を選ぶ事なんて誰にでもありうる事。
で、間違いばかりを選んじゃう人ってのは、本当に一定数実在してる。

学ばないってんじゃなくて、学んだからこそちょっとの温もりにも飛びついて、容易く命までかけてしまうんですよねー。
で、自分ですらそんな簡単に投げ出す命だから、他人からも価値を認めてもらえないっていう。
無私の愛は神の愛と呼べるのかもしれないが、全能ではない人間がやると破滅的にしかならない。
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