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カティンの森のannnouimoのレビュー・感想・評価

カティンの森(2007年製作の映画)
3.6
だらだら観てたら登場人物に混乱。ストーリーも緩慢で集中しにくい。一体これがどうやってまとまっていくんだろうと思っていたら、ラストで目が釘付けに…。

この映画はラストが全て。
悲惨で重い後味を残す構成。
このシーンを最後に持ってきたことに、様々な意味を感じる。
淡々と進められる虐殺。
何の感情もなくサラッと流れていくようにも見えるけど、いや、あれをさらに重く表現したらとても見ていられない。

見終わって、もう一度登場人物がどれが誰かおさらいしながら観た。

冒頭から核となることを表現していたね。
翻弄され混乱の只中にいるポーランドの人々。映画が終始混沌に満ちているのと同じように、人々もわけがわからない状況に置かれていたのだと思った。虐殺された方々も、わけもわからず死んでしまったのだろう。無念だったろう。

ポーランドの人々の口から出てくる絶望的な言葉たち。
少しの希望が生まれても、たちまち奪われてしまった。余すことなく。

酷いことが二度も重なるわけないもの、
というようなことを八千草薫似のお母さんが言っていたのが悲しく響いた。
希望を持とうと足掻くほど、絶望がその足を逃さず絡め取る。一体彼らにどんな罪があったというのか。

さらにこの先の冷戦時代の苦難へ続くのか。浮かばれない。
そして、この手の事件は世界中で起きている。歴史の闇に葬られた出来事はたくさんある。日本だって。


この先子供を育てることがあったら、私は戦争をしてはいけない理由をきちんと説明できる大人でありたいと思った。
感情論だけのそう単純なことではないだろうけど、人間として理解しておきたい。

少しは世界史を勉強しよう…
そして衆院選ちゃんと投票しよう。
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