このレビューはネタバレを含みます
CIAにスカウトされる青年の話。
映画の前半は、CIAの養成学校での訓練が描かれます。
新人スパイの成長物語としては『キングスマン』を想起したりもしたのですが、本作は騙しては騙される…スパイの信用ならざる世界に注目しているのが面白い部分と言えるでしょう。
相手を騙したと思ったら、相手も自分を騙していたり、事件に巻き込まれたと思ったら、訓練だったりと、どんでん返しの連続には驚かされました。
そして、映画の後半は二重スパイの捜査が描かれます。
主人公と容疑者が恋仲になるのはスリリングだったし、終盤に掛けて、事件の真相がコロコロと変わっていくのも面白い。
本当に一体誰を…何を信じるべきなのか分からなくなるし、それでいてラストは主人公が犯人を騙す結末になっているのは見事でしたね。
一方、不満点としては、主人公がスカウトされるわりには感情的な性格で、あまりスパイ向きの性格には見えなかったかな。
まぁ、犯人的には騙し易い人間をスカウトしただけだったのかもしれませんが…。
あとは、あまりにもどんでん返しな展開が連続する故に、ちょっと先が読めてしまう部分もありました。
何かあっても「どうせ、これも嘘なんでしょ?」と警戒してしまうというか、どうせなら1個くらいは「嘘だと思ったら本当だった」みたいなスカしを入れても良かったかもしれません。
そんなわけで、良くも悪くも、どんでん返しの連続が見所となる作品だと思いますが、ここまでどんでん返しを…嘘か本当か分からない世界観を最後まで貫く作品は珍しいと思うんですよ。
そういう意味では、(良し悪しは別にして)一見の価値のある作品なのではないでしょうか。