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八日目の蝉のせっのレビュー・感想・評価

八日目の蝉(2011年製作の映画)
4.5
男も女もない世界で。

不倫相手の子を中絶した希和子がその相手の娘を誘拐し、4年間愛情たっぷりに育てるが、逮捕。その後成長した誘拐された子・恵理菜がかつて2人ですごした場所に訪れる話。

誘拐は決して許されないことだけど元を辿れば本妻・恵津子があんな言葉を言わなければ良かったわけで、もっと元を辿れば「ちゃんとする」と言ってちゃんとしない旦那のせいでもあるし。希和子も恵津子も恵里菜も全員その男女関係のねじれよる被害者。

なので、逃亡する希和子と薫が男も女もない場所で過ごしていくのも納得。最初に匿われる女性だけの園"エンジェルホーム"が駆け込み寺であり、その後小豆島で男の子の服を来て育つ薫。女だけの世界で最初に育ったから男女の概念を希和子に教えられる薫、その後千種に一緒に母親にならないかと言われる恵理菜。

男女の関係の無い場所がどんなに心地が良いかを示しながらも、それがミサンドリー(男性嫌悪)になりかねないことも提示している。ささやかな女性同士の絆の話でもあった。
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