Siesta

イレイザーヘッドのSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

デヴィッドリンチの世界観が爆発している 最初からイメージの羅列が続き、ぶっ飛んでいる ただ、もちろん基本的には意味不明なんだけど、男にとっての結婚という悪夢を露悪的に描いているのだと思う 悪夢だから支離滅裂なのかなという 赤ちゃんができて、奥さん家族との夕食 突然、失神しそうになる奥さんと母親、やけに明るい父親も怖い
それに何よりも、異形の赤ちゃんのグロさったらない あのヌルヌルした感じ 映画の気持ち悪さでいったら個人的には過去イチかも でも、E.T.はどことなく似ているけれど、可愛いのなんでだろって思った てか、マジでこれどうやって撮影したんだ 当時の技術じゃ無理だろってところ多すぎて 倫理的にアウトなことしてんじゃないのかな…
あのニョロニョロっしたヤツは精子なのか? 頬に皮膚疾患のあるダンサー あと、体液描写のエグさ 奥さんの家族との夕食でチキンが動き出して体液がドロドロと さらに、赤ちゃんの体の包帯を切ると臓器が剥き出しで、心臓を突き刺すと溢れ出る体液、さらに止まらない謎の泡 結婚、子供を持つことの恐怖 そして、何よりも“生理的に受け入れられない”という恐怖 発想が本当にイカれている それに、自分の顔が取れて、あのグロテスクな赤ちゃんの顔に変わるのがゾッとする おそらく、赤ちゃんに自分の顔、人生を奪われるということなのか それをこんな形で映像化できてしまうのは狂っているが天才 奥さんは狂って出ていき、隣人の女性と不倫 そして、天国ではすべてがうまくいく、と さらに、生首から鉛筆のイレイザーヘッドになるという不気味さ
これって取り方によっては、超絶ブラックなコメディなんだと思う 笑えなすぎるジョークにならない現実をシュルレアリスム全開で描くという これぞカルト映画か、凄まじい作品とは思うけれど、良くも悪くも気持ち悪さ濃度が強すぎる これがカラーだったら間違いなく見るに耐えない
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