黒澤組の大番頭、堀川広通の、近松世話物の映画化。脚本は橋本忍。
本物の歌舞伎役者が演じるだけに、しっかりした出来。
三代目鴈治郎こと四代目藤十郎(当時は二代目扇雀)と二代目鴈治郎の、親子共演。
米朝師匠が幇間役で出てるのがウレシイ。
新珠三千代の美しさ、香川京子の可憐さも良い。
与兵衛の叔父、森右衛門が高槻藩用人と云うことで、高槻市民の儂としてはニンマリポイント。
関西歌舞伎の鴈治郎、扇雀なので、関西弁も正確。与兵衛の母を演じた、東京出身三好栄子が、堀川監督から関西弁指導をキビシクされた、と云うエピソードもあったり。
昭和30年代の、当時の東宝らしい映画。なんてったって堀川監督は、黒澤組だしねー。