田舎町に住む17歳のリーは、精神を病んだ母親と、小さな弟と妹の世話を抱えながら、困窮した日々を何とか過ごしていた。
ある日、保安官が訪ねてきて「翌週の裁判に父親が出廷しなければこの家と森を没収する」と言われる。家族を守るため、父親を探しに行くリーだったが‥。
閉鎖的な地域で、くだらない“掟”や“噂”に縛られた住人たち。父親のことをきっかけに彼らと会って、自分が住む世界の悲惨さを改めて思い知るリーだったが、これからもこの環境で生きていくことを強く覚悟する。
17歳の女の子が主人公なのに、笑っているシーン、買い物をしているシーン、何か食べているシーン、ぐっすりと眠っているシーンが無い。
人間の欲求の一切を排除することで、“仕方のない世界”を色濃く、かつドライに描いている。