マリリン

穴のマリリンのレビュー・感想・評価

(1960年製作の映画)
4.5
【完全犯罪に匹敵する脱獄劇】
相部屋となった5人組が刑務所から脱獄を試みる話。
「穴を掘る」と言っても、まずは床のコンクリートを砕くところから始まる。もちろん掘る道具はないから、看守にバレないよう家具の金具部分を取り外して使っている。握る部分には布を巻きつけ手を保護。そして交代しながら掘っていく。
黙々とこなされるこの作業を、飽きることなく見てしまうのが不思議。ふと我に返ると、すごい集中していて見ていた自分に驚く。ただ「穴を掘っている」だけなのに。すごい映画だ。
この作業も見どころだけど、この5人もみんないいキャラクターをしていて、すごい絆で結ばれていて人間模様も見どころの1つ。誰も裏切って先に逃げたりしない。「逃げるときは一緒だ!」と言わんばかりに仲間意識が強い。
この映画は実話を元にして作られているとのこと。しかも、作業のリーダー格であるロラン役の人は、実際にその事件で脱獄した人らしい!確かに指が何本かなくて、「この人は…俳優さん?」と思っていたけど、調べたらそういう経緯があったのか。行き当たりばったりではない、完全犯罪に近い脱獄劇。
マリリン

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