長い上映時間の作品ですが、二転三転する話と誰が味方で誰が敵か分からないストーリーやユダヤ人である事がバレたら殺されてしまう極限状態の緊張感と緊迫感が物凄く、全く長さを感じさせず飽きずに観られるので、非常に観やすい映画だなと思いました。
ただ、人間の醜さや弱さを描いていたりかなり重い話ではあるので、気軽な気持ちで観られる映画ではないですが、負の歴史を繰り返さない為にも観るべき作品かなと感じました。
また、戦争映画ではあるけれどサスペンス、ラブストーリー、アクションと様々な要素が絡み合いエンターテイメントとしても完成されている点は凄いと思いました。
今まで様々なナチス関連の映画を観てきましたが、ナチスだからみんな悪で極悪人しかいないといった描き片はしておらず、ナチスにも善人がいたり、レジスタンスにも悪人がいたり、戦争終結後にオランダ人がエリス達に行ったひどい仕打ちを描いたり、ナチスと同じ事をしていて彼らと何が違うのかといった人間の狂暴さや単純な善悪で語れない描写が他とは違い斬新で今までのナチス関連の映画とは切り口が異なる作品なので非常に考えさせられました。
次から次へと悲惨な状況に陥ってしまうヒロインですが、それでもめげずに淡々としている彼女の逞しさや勇気に感銘を受けました。
主演女優の体当たりの演技が凄まじく、終結圧倒され引き込まれっぱなしだったので、凄いパフォーマンスだなと衝撃を受けました。
ナチスをテーマにしているので観賞後に暗い気持ちになりますが、彼女の生き方から勇気をもらえたり、映画としても完成度が高く見応えがあるので、観られて良かったです。
