Adele

ジャイアンツのAdeleのネタバレレビュー・内容・結末

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

長かった…201分
けれども、不思議と長さは気にならず、気づいたらのめり込んで観ていた
それだけ、見応えがあったんだと思う

東部のお嬢様が砂埃の荒れたテキサスの牧場へ嫁入り
先進的なもの東部と保守的なテキサス
そりゃあ、噛み合うわけがない

ロック・ハドソン演じるビックは典型的なテキサス男またの名を昔ながらの毒親
先祖代々継がれてきた価値観を息子に植え付けようとする
自分の血を分けた子供とはいえ、全てが自分の思い通りにいくわけがない、それはいつの時代も同じ
しかしながら、今作のロック・ハドソンはなかなかよかった
特に若い頃よりも年齢を重ねた頃の方が個人的にはよかったと思う

でもさ、今作におけるハイライトはジェームズ・ディーンだよね
最初出てきた時からもう釘付け!
あの只者ではないオーラ、あれば何なんだろう?
出てきた瞬間ドキッとした
ジェームズ・ディーンはハドソンとは逆で年齢を重ねた頃のよりも若かりし頃の方が素晴らしかったと思う
特に、ビックにレズリーを車で家まで送って行ってほしいと頼まれ、レズリーが車に乗車するまでの表情と演技がもう素晴らしいの何の!!!
その演技が素晴らしすぎて、そのシーン、何度も何度も観てしまった
あとは、レズリーがジェットの家に来た時のシーンもさすがだなと思った

最近、10年くらい前にテキサス州に住んでいたことのある知人から、テキサスは今でもかなり保守的だと聞いた
結局、今作で描かれていた問題はあまり解決されていないのかもしれない
人種差別、男尊女卑…
現在だと、こういった問題を題材にした作品は多いが、1956年の作品が描いたということがいい意味で問題だったんだと思う

途中、末娘ラズがジェットと結ばれてしまうのでは?と心配したけれど、ラズはジェットが本当に心から愛しているのは自分の母だということに気づいて身を引く姿を見て、一安心

ラスト、ソファで語り合うビックとレズリーを見て思った
彼らは、ジェットよりお金の面で成功はできなかったし、子供には恵まれたが、自分達の思い通りにはならず、それぞれ独立していった
若い頃から価値観が合わず、喧嘩もし、離婚の危機もあった
しかしながら、白髪になりながらも、お互いを敬い、死ぬまで共に生き、一緒にいられる幸せがある

一方のジェットは、ジェット曰くビックの奴隷としてこき使われたが、運と棚からぼたもちで一攫千金を得て、テキサス1、もしくは全米でも有名な大富豪になった
もう誰にも雇われることはない、ましてや奴隷のように
お金はある、困らない、お金されあれば何不自由なく手に入れた
しかしながら、ビックの牧場で雇われていた忌まわしき過去の呪縛から逃れることはできなかったし、本当に心から愛したレズリーと結ばれることなかった、できなかった

人それぞれ、幸せの価値観は違うから、比べてはいけないんだけど、ベネディクト夫妻とジェットのラストの対比があまりにもすざましく、なんとも言えない気持ちになってしまった

しかしながら、今作における、主要キャストのキャスティングは神!
ロック・ハドソンはまさに絵に描いたような昔ながらの典型的なテキサス男
エリザベス・テイラーはジェット曰く、男なら誰でも夢見る美女
ジェームズ・ディーンは哀愁と悲壮感漂う孤独な男
それぞれ、見応えある素晴らしい演技を見せてくれていました

作品としても、とても見応えがあり、さすが有名で評価されているだけあると思う
長かったけど、観てよかったと思います
Adele

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