すずき

バットマン リターンズのすずきのレビュー・感想・評価

バットマン リターンズ(1992年製作の映画)
2.5
ゴッサムに原発を作る事を推進している、大物実業家のマックス・シュレック。
彼はゴッサムの地下に住む犯罪集団サーカス党のボス、Mr.ペンギンと手を組み、彼を市長に仕立て上げようと企む。
マックスの秘書セレーナは、彼の原発が違法なものであることを知ってしまい、口封じにビルから突き落とされる。
しかし、彼女は奇跡的に助かった彼女だが、精神に異常をきたし、怪人キャットウーマンへと覚醒する。
悪人たちが跋扈するゴッサム、バットマンはどう戦うか!?

この映画、良い所はホントに良い。
音楽、役者、ゴッサムシティの造形や怪人のメイク、ティム・バートン節全開の世界観。
しかしそれらの魅力以上に、脚本が滅茶苦茶で、とっ散らかっているという欠点が足を引っ張る。
でもFilmarksでもネット上でも、あんまりそこら辺の低評価は少ない。何故だ!?
なので今回は、皆がツッコまない分、ちょっと辛口に、そして長々とレビュー。
「貴様ッ、それは違うぞ!」と思われたら、お気軽にコメントを。

うっかり社長に「社内の極秘ファイルを見た」とありえない口の滑らしかたをするセリーナ。
オイ!と思った直後さらに、「これから作ろうとしてる違法な原発の情報も見た」と聞いてもいないのにペラペラ喋りだす。しかも、それで恐喝するわけでもない。
この女、いったい何がしたいんだ!?
しかも原発の不正も、発電所と見せかけてゴッサムの電気を溜め込む蓄電池だった、という「?」なモノ。
マックスを悪人として描きたいならもっと悪そうな事出来るでしょ、放射性廃棄物を云々とか。

Mr.ペンギンを市長に持ち上げるという、明らかに人選ミスの作戦。
確かにハンディキャップを持った人に、民衆は同情的になるかもだけど、生魚(not SUSHI)をガツガツ食ってるようなヤツを笑顔で拍手で迎えるのはちょっと…w
「地下には鏡無いんッスか~?www」なんて煽りにしか聞こえないジョークを言う支援者もイミフ。そんでやっぱりキレたMr.ペンギンに鼻噛まれてるし。
そんな修羅場でも、「仕事に戻れ、我々の手で新市長を!」とマックスが言えば騒ぎが収まっちゃうのも無理ないか?

脚本の領域ではないかもだけど、悪役が二人共「狂人」なのも、更には狂人の悪役はすでに前作のジャック・ニコルソンのジョーカーという超えられない壁があるのも問題。
Mr.ペンギンの率いるサーカス党だって、まんまジョーカーが率いてそうだし。

主人公(建前上)のブルース・ウェインの心情がほとんど描写されず、イマイチ何を考えてるのか分かりづらい。
表舞台に上がってきたペンギンを、鼻から疑ってかかる理由…はスーパーヒーローの嗅覚?
まあそこは良いとして、キャットウーマン相手には油断しすぎ、デレデレしすぎじゃないですかねぇ…チンコ触られてニンマリな所を刺されるとかダサすぎでしょw
兎に角、キャットウーマンとのロマンス、何故か彼女に惹かれるブルースには、全然感情移入出来なかった。
対するキャットウーマン側は完全に狂人だから、バットマンに惹かれてるのか何なのか、こちらもさっぱり分からない。

キャットウーマンの、小鳥を口に含む所や、「お風呂」と称して自分の手を舐めてそれで頭を拭く所、無理にキャラクター作ってる痛い厨二病患者みたいで失笑だw

ビルの屋上の手すり上に立たされた女の子、それに近付き「気をつけろ、動くな」というバットマン…いや、普通に屋上側に降りれば済む話じゃ?
で、Mr.ペンギンの放ったコウモリに襲われ、落下してしまう…いや、普通に屋上側に降りれば済む話じゃ?

バットモービルのセキュリティはガバガバ。
あと底部分の装甲は素手で破れるぐらいペラペラ。

ペンギンの目的も滅茶苦茶。
まずはマックスと組んで市長を目指すぜ!→バットマンに阻まれ失敗
→だったら街中の「第一子の長男」を殺すぜ!→バットマンに阻まれ失敗
→だったら無差別テロじゃ!ペンギンにミサイルつけて街の真ん中でブッ放す!
ここまでムチャクチャだと普通に笑えたwペンギン可愛いしw
やっぱりバットマンに阻まれ、ペンギンミサイル発射!からの、ペンギンお葬式出棺とか、可愛すぎでしょw
…今更突っ込むけど、下水道が廃墟のペンギン動物園に繋がってて、更にそこでペンギンが繁殖してるって設定、ぶっ飛びすぎw