けまろう

2001年宇宙の旅 新世紀特別版のけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『2001年宇宙の旅』鑑賞。映画だけではなかなか理解が難しいが、壮大なクラシック音楽の中で広げられる宇宙空間のシーンは観るものを圧倒する。特に音の緩急のつけ方がうまい。クラシック音楽もさる?ながら、無音状態やリゲティのレクイエムなど、要所での音楽の使い方が抜群だ。
超知的生命体の制作した、進化を促すモノリス。ヒトザルはヒトに進化し、コンピュータは人を騙すようになり、ヒトはスターチャイルドに進化する。想定外の進化は、いずれも不気味な瞬間だ。特に、コンピュータHALが乗組員を淡々と処分していく様子は観ていて非常に恐ろしい。実際に機械が人間を超越した場合、流血などはなく丁寧な口調で静かに人間の命を処分していくのだろう。ディープラーニングなどAI技術が進歩している今、妙にリアリティのある恐怖として実感されるのだった。
しかし、ディスカバリー号が妙に精子の形に近かった気がするんだが、気のせいだろうか。精子型の宇宙船から放たれた宇宙飛行士が、宇宙空間に浮かぶモノリスと接触してスターチャイルドになる構造は、そのまま受精を意味しているように感じた。つまり、旧文明と新文明の交配である。
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