眠れない夜はベットから飛び出して「ファイアー&アイス」のVHSをデッキに入れよう。この映画を観るのに2ヶ月を要した。難解な超大作といえば、コイツはそうかもしれない。

パッケージ裏にある作品紹介文を一部抜粋すると
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「白い恋人たち」「007シリーズ」でスキースタント撮影の第一人者と評価の高いウィリー・ボグナーが、スキーに対する情熱を全てぶつけたのがこの「ファイアー&アイス」である－
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その、つまり、ビッグネームを出してるようで、元カノのお兄さんの同級生みたいな人物が監督。あるある。

紹介文の最後では
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この映画を見終わった時、もうあなたの心は遥かゲレンデに飛んでいってしまっているに違いない
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そう、映画の冒頭から我々の心は遥か眠気の向こう、夢の中へ飛んでいってしまうのだ。

内容といえばジョンが執拗なまでにスージーを追って「アルペン、アルペン」言って、スキーを通して恋をする。同時に失心しそうな程トレンディな80‘sミュージックが流れる。冒頭からネイティブスピーカーでなくても『わあ、ひでえ演技……』と思ってしまうほど心配にさせてくれる。謎のカット、ナレーションベース、唐突なスローモーション。スキーシーンになると恍惚とした声色で語りが入る。ここまでスキーにエクスタシーを感じた人類がいただろうか。何故だか小学生の頃に友人の家で観た“友人のお父さん秘蔵の洋物裏ビデオ”を思い出させてくれた。

これがジェネレーションギャップで済むのか、私の読解能力が足りないのか、むしろ文化水準が高過ぎるのか。81分の快楽なのか悪夢なのか、わからない。

『“つまらないもの”は“面白い”』というズレた価値観を確固たるものにしてくれる。おおらかな時代の産物。頭がシュワシュワして嫌なことも忘れる。時間は有限なのに仮死状態。好きにならずにいられない。

• #KilledByVHS

もう2-30年前にスキーにハマっていた時期に何度も見た。スキーパフォーマンス、デモの集合体。音楽が超メジャーな曲ばかりで、映像と合って、BGVとしても良かった。久しぶりに見たいなー。