デニロ

任侠列伝 男のデニロのレビュー・感想・評価

任侠列伝 男(1971年製作の映画)
4.0
任侠映画でありながら男と女の縺れ合いが主旋律になっている。

病身の親分の娘桜町弘子の事を思っている若頭鶴田浩二は、彼女のおもいが兄弟分の代貸菅原謙次にあることを知り、彼女からも跡目の事からも身を引く。九州のやくざ伊吹吾郎は親分の妹北林早苗のおもいを受け入れ大阪に出奔する。渡世人長門裕之の妹藤純子は、見えない糸に操られるように鶴田浩二と巡り合い思いを寄せる。

笠原和夫が男と女の狂おしい世界を自らの妄想の中に昇華させて描き切る。

もはやラストの殴り込みは何が何やらわからぬ展開となり、九州からやってきた親分高倉健は自分の組の事も考えずに直情的に行動してしまいバカなんじゃなかろうかと、堅気のわたしは思ってしまうが、ともかく男どもは全員死んでしまう。タランティーノは東映任侠映画も観ていたのかもしれない。

それにしても内田朝雄が筋を通す極道だったとは・・・・・。

1971年製作公開。脚本笠原和夫。監督山下耕作 。
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