mikoyan358

姿三四郎のmikoyan358のレビュー・感想・評価

姿三四郎(1943年製作の映画)
3.0
2009/2/28鑑賞(鑑賞メーターより転載)
冒頭の「戦中の検閲により欠けている箇所がある」説明からして重い。ただ、検閲で切られた部分があったとしても話の見せ方はそれほど特筆すべきものはなく、平凡に撮れば平凡な作品となっただろう。そんな中で、三四郎が池に入ったシーンで見える月の美しさ、そして強烈な風と恐ろしいまでに迫り来る雲の下、平原で行なわれるラストの果し合いのシーンは本当に強烈。白黒なのに色が見えてくるような、寒々しさまでも感じさせる臨場感。戦時中のデビュー作ながらも、そこには黒澤明の「色」がはっきりと感じ取れる。
mikoyan358

mikoyan358