爆裂BOX

ゾンビ・ナースの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビ・ナース(2006年製作の映画)
3.2
恋人ニックからプロポーズを受けた女教師エイミーは、彼の車で帰宅中に事故に遭う。足を骨折したニックは到着した救急車で運ばれるが、何処の病院にも運び込まれた記録がなく、そのまま姿を消してしまう…というストーリー。
このタイトルとジャケットからゾンビになったエロいナースが人を襲う「ゾンビ・ストリッパーズ」みたいな作品彷彿しますが、実際は一要素で、中身はオカルトサスペンスホラーという感じの作品です。
事故の相手側で同じく妹を救急車で運ばれた男性ルークと共にニックの行方を探すエイミーは、不気味な異形のものに「彼は我々のものだ、手を引け」と言われる不気味な幻覚に悩まされ、不気味な絵を描く教え子の少女メリッサからニックが火事で焼失した聖ローズマリー病院にいると告げられる。一方、病院に運び込まれたニックは不気味な物を感じ、ある夜、ナースたちが患者の内臓を喰らう姿を目撃するという内容です。
ニックの行方を探すエイミーのパートと病院に運び込まれたニックのパートの二つが交互に描かれますが、エイミーのパートでは日常で人の顔が突然悪魔みたいになって「彼は我々のものだ、手を引け!」と叫んで来たり、蛇のような長い舌出したりするという幻覚を見て悲鳴上げるというパターンのホラー描写ですが、日中なので不気味さや怖さはないですね。エイミーが幼少期のトラウマで精神的な問題抱えてるのもあって幻覚か現実か曖昧な線を狙ったんでしょうがそれはあまり上手くいってない気がしましたね。ニックのパートは病院内で患者が夜のうちに姿を消したり、血を飲んだり、患者を喰らう看護師たちを目撃したりします。冒頭の事故現場でエイミーが叫ぶのに野次馬が遠巻きに見るだけで誰も助けに来ない所からおかしな空気漂っています。到着した救急車に乗せられて運ばれるけど、どの病院にも運び込まれてない所は「アンビュランス」彷彿させます。
病院篇で登場するナース達は全然ナースに見えなくてエロナースのコスプレした人にしか見えないですね(笑)ジャケットのイメージhそれほど間違ってない感じの看護師たちですね。彼女たちが倉庫のような場所で全裸で注射器で血を飲みながらレズプレイするというサービスシーンと言っていいのか分からないシーンもあります。患者の内臓喰うシーン出てくるけどゾンビというよりヴァンパイアという感じですね。高圧的な看護師長はゴツイ系で、特殊メイクなしで迫力あるお顔されてます。
エイミーが後半聖ローズマリー病院に入った所でゾンビ達でてきますが、普通の患者の姿とフラッシュバックで黒焦げの姿の交互の姿見せながら迫ってきますが、人を喰うことなくヒロインに纏わりついてくるだけですね。登場もちょっとだけです。
火事で焼失した聖ローズマリー病院の跡地に行くと、稲光が光った時だけ病院の姿が現れる演出はいい感じですね。
不気味な絵をかき、エイミーにメッセージを伝えるキーパーソンになる少女メリッサをまだ無名時代のクロエ・グレース・モレッツが演じてます。当時9歳ながら独特の存在感すでに出してるのは流石。エイミーに協力する青年ルーク役でジェリー・オコンネルも出演しています。好青年だけどこの人だから…と思ってたら後半案の定でしたね。
エイミーが入った聖ローズマリー病院で綺麗な病院と焼けて不気味な廃墟になった病院が交互に映される所や、原題でもある6号室で忌まわしい過去と己の罪と向き合う事になる展開はちょっとゲームの「サイレントヒル2」彷彿しました。
ラストのオチは予想付く人多いと思います。確かにエイミーのやったことは大罪と言えるかもしれないけど、幼くてしかも父親にああも言われてやっとことだからなぁ…父親の方が大罪では。しかし病院にいたニックはエイミーのテストの一つだと考えるとニックのパートは何だったんだろ?本物ではなかったわけだし。白い光に包まれたラストカット見る限りエイミーはテストに合格して無事上に行けたんだろうな。
ゾンビやエロナース目的で見たらガッカリするでしょうね。「ジェイコブス・ラダー」系のオカルトホラーで脚本に粗はありますが真面目に作られた作品ではありますね。