まぐらいだあ

ゴジラ対ヘドラのまぐらいだあのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

公害にゴジラをぶつけるという異色作。
しかし、本作は初代ゴジラの、人間の科学が生み出した権化であるという部分にVSシリーズの枠を当てはめたものであるのだから、社会派とエンタメの両者を扱ったゴジラとしては至極真っ当な作品であることは間違いない。
だがこの時点でゴジラは原爆の怪獣というよりは、怪獣ヒーローとしての地位を築いてしまっているが故に、公害の怪獣をヒーロー怪獣がやっつけるラストになってしまっている部分が、エンタメとしての性ではないだろうか。確かにゴジラが大自然の憤怒からの行動であるのだから納得はできる。だがこの場合、自然を守る化身であるゴジラが公害に負けるのは当然として、社会的なメッセージを直接的に加えた挙句、その処理を自然の化身に任せるというのはいかがなものか。
確かに、人間が協力してゴジラがいいとこ取りというかクライマックスを持っていくのだから、ヒーロー怪獣エンタメとしては間違いない。しかし、公害という社会部分のみにフォーカスして決着をつけるなら、やはり人間がヘドラを退治しなければ、公害アンチのメッセージとして弱い。
だが、ラスト、ヘドラはもう一匹いる?
というメッセージで一気に公害問題がこのまま終わるわけではないというものがあるので、それ自体は悪くない。つまりこれはもうゴジラは助けてくれない。あとは人間が決着をつけろというメッセージにきこえてくる。