まゆ

シンドラーのリストのまゆのネタバレレビュー・内容・結末

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

モノクロで3時間15分、気分が悪くなるくらい考えられないシーンが多かったですが、のめり込んで見ることができました。

この映画について私の拙い語彙力で感想を述べることはあまり良くないことなのではないかとも思ったのですが、私が感じたことや頭にあることを書き留めることは映画への理解を深めることと思いますので少しだけ書きます。

まずこの映画で1番頭に残っているのは灰が降るシーンです。
最初は雪のような素敵なものが降ってきたように見えるシーン、でも何か変で、車に積もったものを手に取ってみるとそれは灰色の塵で、触るとすぐに消えてなくなってしまう。
高校や大学の授業でも、収容所の写真や映画にあったような酷いシーンを見たことがあり、その時はそういう酷い事実があったということ自体がとても頭に残ったのですが、今回映画を全編通して見て、この事実があった為に多くのユダヤ人がこの世界から本当に消し去られてしまったように感じ、恐怖と同時に本当に悲しい気持ちになりました。
シンドラーが最後、「このバッジで2人、いやせめて1人は救えたはずだ…」と言い、「こんだけ救ったのに」とシュターンが返しますが、私もそう思いました。
こういう酷い歴史があったことも覚えておかなければならないと同時に、それを救った人がいること、それによった新しい歴史が今もまだ絶えずに続いていることも覚えておかなければならないと思いました。

そしてそのユダヤ人たちは私たちは見たこともないし名前を聞いたこともありませんが、その人たちにはそれぞれ家族があり、住んでる家があり、大切にしているものがあり、私たちと何も変わらない暮らしをしている同じ人間です。
列車に乗り込む前に回収されたトランクの中にあったたくさんの物や写真が映ったシーンもとても印象的でしたね。
同じ歴史を繰り返さないというのは、これからはもう差別をしない、戦争をしない、というのも大事ですが、まずは自分の家族や友達、着ている服や食べ物も大切にしないといけないということだとも思います。

と言っても今この瞬間から1秒たりとも無駄にせず生きれるかと言われたら難しいですし、毎日ご飯が食べられる環境にあるわけで、こんなにのほほんと過ごしている私は生きていていいのかと考えてしまうほど暗い映画でしたが、今日より明日、明日より明後日、少しでも物を大切に、自分を大切にしてくれる人を大切に、そしてできたら、今日本や世界で起こっているLGBTQや人種差別、食料問題、環境問題にも優しい気持ちで向き合えたらいいなと思います。
まゆ

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