正月にまとまった時間が取れたため、長尺過ぎて敬遠してきた本作を鑑賞。
イメージ通り重厚な作品だったが、さすがのスピルバーグ節で、途中でダレるようなことが全くなかった。
ネガティブな導入になってしまうが、主人公のシンドラーの人間性の描き込みが薄いように感じ、その結果、功利主義者のシンドラーが作品終盤で急激にヒューマニズムに舵を切ったところに唐突感を覚えてしまった。
また、背景として描かれるユダヤ人ホロコーストに関する諸々が余りに衝撃的過ぎて、どうしてもそちらばかりに目が行ってしまったのも事実。
ホロコーストもの作品はそれなりに観たことがあるが、やはり「具体描写の神」であるスピルバーグが描くと説得力が段違い。
ザ・非人道のオンパレードで、これが一定程度歴史的ファクトであるということに、さすがに色々と考えざるを得ない。
こういった、「歴史における人類の過ち」に触れたときに大切だと思っているのは、自分とは関係のない世界で起こった出来事ではなく、自分自身がその場にいたら自分も加害に加担したかもしれないとか、今の世の中でも状況次第では同様な事態が再現し得る、といったように「自分事に引き寄せて考える」ことだと信じているんだけれども、さすがにここまでの非人道的なことを自分に引き寄せるのには少し抵抗がある。
俺はこんなことしない、今の世にここまでひどいことは起きない、と思いたくなるが、それこそがバイアスなんだろうな・・・。(ウイグルとかある意味再現してしまってるしな)
自分としてはしっかりと受け止めました。
観て良かった。