mimocyan

殯の森のmimocyanのレビュー・感想・評価

殯の森(2007年製作の映画)
3.8
自分自身も森のなかをさ迷っていくような感覚があった。原始的な森の音にかきけされて、台詞さえもよく聞こえない。だが、途中からそれさえも気にならなくなる。吐息のような声の響き、それ自体に命を感じるようになる。2人が踏み込んだ深緑の世界に満ちる、光と影、生と死の呟き。耳を傾けても、その声はか弱くてやはりうまく聞き取れない。この映画がテーマとしたことをはっきりと認識するには、今の自分にはまだなにかが足りないようだ。あの森に響く声に気がついたとき、私は何を失っているんだろうか。
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