mimocyan

かぐや姫の物語のmimocyanのレビュー・感想・評価

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)
3.5
すんごい意外な作品でした
終始アニメーションの凄さに圧倒されるばかりだった2時間超
ラフ画と水彩で全てを作り上げたような柔らかな世界、その中でくるくると踊り、跳ね、駆け回るかぐや姫を観てるだけで湧き上がってくる幸福感
高畑監督のイメージからすると、驚くほど遊びが散りばめられていてて、それがすごく意外
特にあのちっちゃい侍女?は待ち受けにしちゃいたいくらい可愛いくて良いキャラだった


と、ここまでが観たままの素直な感想…
ここで終わればいいですが、なんだかどうも腑に落ちないことが山盛りだったりします

一番は、これほんとにいい話なんだろうか…という戸惑い
一見すると、高畑監督にしてはやたらすんなりと綺麗な話を作ったようにも見えたりもするのですが、それ自体がものすごくひっかかる
監督はなぜ今の世に竹取物語を現代アニメーションで描こうと思い至ったのか…
作中でも、意図的な仕業と思われるなぜわざわざこうなの?と違和感が生じる変な要素や演出が多分に含まれているように思えます
そもそも月の民って何者?
なぜ姫は超人的、天才的な才分を持っているのか
そして、確かに姫は美しいけれど、まるで魔術のように男を魅了してしまうのは何故なのか
ただのお伽噺が元ですから、と茶を濁すこともできますが、高畑監督がそんな裏付けもない設定を理由もなしに描くとは思えないです

姫がしきりにいう、生きている手応えという言葉に対してなにか業のようなものを感じてしまうのはなんでなんだろう
月の人たちは結局姫になにをさせたかったんでしょうか
ちょっと、いや大分かなり読み切れてないモヤモヤが残ります、うーん…
mimocyan

mimocyan