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ハリー・ポッターと賢者の石のRenのレビュー・感想・評価

3.0
【ハリー・ポッター初心者日記①】

2023年の目標は、ロクに観たことの無いハリポタシリーズとジブリ作品を観ること。ファンタジー作品に一切縁の無い家で育ったため、原作未読の状態で初鑑賞した。

キャラクター萌え、アイテム萌え、世界観萌えに振り切ったエンタメショーとして楽しめた。魔法の中にもルールと物理法則があって、それらが次から次へと映像化されていく快楽に鑑賞価値がある。
20年以上前の作品なので映像的に若干怪しい部分はあるものの、概ね気にならずフラットに観られた。

ホグワーツに行くまでが駆け足すぎて入り込めない上に、ホグワーツに着いてからも駆け足なのでお話はずっと上滑りしていた印象がある。色々な要素を掻い摘んでは次へ進むダイジェスト的つぎはぎ編集はとても気になった。
90分でようやくタイトルの本題に突入するプロローグの長さ。長〜いシリーズ全体で観たら90分は世界観の説明として必要だと思うけど、一本の映画としたら明らかに異常ではある。しかもその後半の本編部分が前半よりつまらなくなるのも、この作品のナニコレ?感を助長させていた。

一番すごいのはハリーが葛藤も苦悩も無く、才能と血筋を武器に突っ走り続けるストーリーテリング。そもそも選ばれし者の話であることすら知らなかったのでかなり面食らったし、結局選民思想的な血の話かよと冷めた。彼が特に悩んだり成長したりしない以上これは物語ではないが、今作単体を物語として観ている人は一人もおらず、あくまでシリーズの導入編&世界観を楽しむアトラクションとしてファンやリピーターが高評価しているものなはずなので、これで良いのだと思う。
自分もシリーズを全て観終えたら遡及的に今作の評価が上がるかもしれない。

一番アドレナリンが放出するのはやはりクィディッチのシークエンス。本編には全く関係無いし話は止まっているし知らないスポーツを見せられているだけだが、今作のアトラクション性がここに凝縮されている。観ていて単純に気持ち良かった。

今作単体で評価できるようなものでは全く無いのでちゃんと観続けて総括したい。前述のようにキャラクターと世界観だけでも十分に観る理由になるので完走はできると思われる。

その他、
○ ダニエル・ラドクリフが普通(?)の役をやっているだけで安心する。人間十徳ナイフにもなってないし両手が拳銃になってもない。
○ メイクやCGが多い中でほぼ生身のキャラデザで魅せるスネイプ先生良き。ほぼ『ノーカントリー』のシガーだった。
○ クィディッチが迫力の割につまんなさそうすぎる。プレイヤー全員がシーカーの活躍のための前座になってるけど、みんな何のためにやってるんだろう...?
○ 以前イギリスに短期留学した際、キングス・クロス駅近くの寮に泊まっていたことを思い出した。今思えば留学前に観ておくんだった。
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