謎のタイミングで個人的なハリポタ・リバイバルブームが来ており、久々に観た。
2000年代初期のファミリー向け映画にしては150分以上の長尺で、とにかく原作の良いシーンを忠実に再現しようという気概が伺える。魔法の世界へのイントロダクションをハリーとともにワクワクしながら体験できる一方、シーン数が多すぎて前半はあれもこれもとおかずを詰め込んだ節操のない幕の内弁当的な印象に。
じゃあ本筋に関係ないクィディッチの試合とか削るべきかというとそんな暴挙はあり得ないので、あの濃密な原作を一作の映画におとしこむのが無理ゲーに近い所業である。
ハーマイオニーが想定の10倍可愛かったり、もはや熟女愛好会で脳内再生されてしまうコンパートメントシーンのオリジナル版は改めて観ると良かったり、グリフィンドールの逆転優勝はあまりに鬼畜の所業だったり、なんだかんだとても楽しめる作品だった。
ハリーたちが賢者の石にたどり着くための手掛かりのほとんどをハグリッドの情報漏洩から得ており、あまりにひどすぎるので、実はハグリッドがうっかり屋を装いハリーらを操って賢者の石を守る影のフィクサー説すら芽生えるほどである。一作目のハグリッドはハリーを魔法界に迎え入れ、そしてマグルの世界へと見送る異世界の門番的なポジションとしても登場するため、キーパーソンオーラが凄まじいのである。