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クリスティーンのkazukiのレビュー・感想・評価

クリスティーン(1983年製作の映画)
3.7
スティーブン・キング原作の,自我を持った車ホラー,『ザ・カー』とか最近だと『チタン』にも同じような要素が。

私は、アメリカ郊外と言えば車!そして芝生! というイメージが強く、最初の車は中古で買い,手入れをしていく事で自立心を養うというアメリカ文化が垣間見える所が好き。※例えば『トランスフォーマー』1作目などと同様。

もう一つ、人は誰か,或いは何か好きになる事で変わっていく という事も描かれていて,この映画はその最悪パターンではないか? 主人公の変容振りは本当に良いです🙃

キングの原作だと、映画冒頭の50年台シーンはなく、クリスティーンを悪に染めたのはローランド・ルベイ(車を売った人の弟)。クリスティーンへの愛が車内で亡くなった妻と娘への愛に勝ってしまい、最終的にローランドの悪霊がクリスティンと一体化する。そう考えると、よりこのテーマが際立つ。

また,好きになる対象が人や物(車)だけでなく、概念という事もあり得る、又は人や物を好きになる際、その背後である概念を同時に志向しているということもある。本作でも、50年代デトロイト全盛期,アメ車社会とオプティミスティックな古き良き?アメリカへの憧憬,,,といった実際は無かった概念を夢想する事の醜さみたいなものが詰まっている気がする。(トランプが「もう一度アメリカをグレートに!」と言う時の,対象の未規定さによく表れているような)

カーペンター音楽がエンジン音と共に鳴り響く、クリスティーンを正面から捉えたショットは本当に上がりますね! 良い映画です。

⬛️以下、メイキングよりお気に入りの小ネタ。
※24台のプリムス フューリーを探してきて、レストアし17台は‘動く’物になったという。撮影で2台を残して全部破壊されている。製作費の15%が車代だったとか。

※劇中(1978)でクリスティーン購入に払う250ドルは今だと1000ドルぐらい。

※クリスティーンのナンバーcqbはClose Quarters Battle(近接戦闘)の略との事。

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