自然豊かな南フランスの田舎を舞台に, 夏の数日を描いた作品。
こんなにデジャヴュというか..感情の既視感を抱いたのも久しぶりというぐらいグッときた。
といっても, 「感動した! 」というような感情の盛り上がりがあった訳ではなく、緩やかなバカンス描写に気付いたらド集中させられていたという感じだ。
バカンスは大抵, 行く前に想像していたよりも上手くいかない。たまにと思って遠出すると色んな問題も起こるものだ.. 慣れない道で迷ったり、車のトラブル。到着したらしたで思ったよりも綺麗じゃなかったり、設備が整っていなかったり、何より普段と違う環境で人間関係が拗れたり。
しかし後に思い返すと楽しい記憶が勝っている。
本作では、そんな〈バカンスあるある〉と、思い通りにならず もどかしかったり、自分の抱く感情に自信を持てないといった〈青春あるある〉が同時に押し寄せてくる。
劇中で描かれるのも、登場人物にとって楽しいよりも辛い出来事が多いのだが、観賞後は多幸感に溢れてる。複雑な現実感をリアルに映しとった快作。
