観々杉

夜と霧の観々杉のレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
5.0
ナチスによるユダヤ人への迫害、虐殺を告発したドキュメンタリー。人類史において重要な主題の作品を手掛けたのは巨匠アラン・レネ。ユダヤ人であるハンス・アイスラーが本作の曲を手掛けた。収容所の劣悪な環境と卑劣な管理体制が語られる。後半は特に衝撃の強いシーンが映る。首の切断や焼却など、ナチスがおよそ人に対する礼節や倫理を持たない行動をしていたことが示されている。現代でも、我々の生活圏で頻繁に情報がもたらされるウクライナとロシアのみならず、国際社会の影響が行き渡らない世界中に戦争や紛争があり、毎日犠牲者が生まれている。戦争が終わっても、あまりに酷い傷が癒えない犠牲者が残される。我々は一連のロシア進行により、一般市民が戦争を止めるにはあまりに厳しい事を思い知らされたが、せめて傷ついた人々に手を差し伸べるようにしたい。主観的にホロコーストの実態を知ることができる重要な映画であり、つらい映像ではあるが、誰もが見るべき作品だ。
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