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ブロンクス物語/愛につつまれた街のoliveのレビュー・感想・評価

4.0
まずやはりロバート・デ・ニーロという俳優の幅広さ奥行きの深さ、彼の人間力とでも言えばいいのか、またしてもやられた。
貧しくも正しく強い父親、何があっても家族を守り抜くという気概、だけど肝心の息子にはなかなか届かないのが歯がゆい。少年が思春期に陥りやすい悪いものへの憧れ、働くなんてバカな奴のすることだなんて意気がる一時期の熱。ただその時のちょっとした選択を誤れば若気の至りなどと振り返ることさえできなくなる。その危うさを大人は知っている、だからこそ先回りして危ういものから遠ざけようと思うけれど若さというのはやっぱり自分で体験しないと納得できないものなんだ。
ソニーが「俺の真似をするな、俺の人生だ、お前にはお前の人生がある」と。めちゃくちゃいい人。彼にもカロジェロの時代に戻って別の人生をやりたかったという思いが込めらてたセリフではなかったか。
時代の雰囲気、音楽、知らないはずのブロンクスを懐かしく感じさせるいい映画だった。
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