このレビューはネタバレを含みます
良作。かなり面白かった。
ロバート・デ・ニーロが監督・製作・主演を務めた作品。1960年代。
街の人々の暮らし。
愉快な音楽に乗せたポップでユニークな映像。
ある日を境に、2人の父親に育てられた少年とその街の話。
ヘンテコなあだ名のついた大人たちが集まるバー。
バス運転手で、潔癖かつ誠実な父ロレンツォを持つ、人間観察好きな少年カロジェロ。背伸びしたいお年頃。まだ、物事の分別がつかない。
黒人差別の色濃く残る時代。
真昼の撃ち合い。目撃者となったカロジェロ。子どもなりの正義に乗っ取り、警察に嘘をつき、犯人である権力者ソニーを庇った。正義とは。
そこで、ソニーに目をつけられ、ロレンツォはヤバい香りのする仕事を持ちかけられる。
ソニーは、カロジェロにも近づき、バーでの仕事を与える。バーの地下は、賭け事の会場。カロジェロは、アンダーグラウンドで無秩序な大人たちの世界に染まっていく。Cという愛称をもらい、陰の支配者ソニーに可愛がられるようになったカロジェロに取り入ろうと、周囲の大人たちの態度は変わる。父の願いも虚しく、カロジェロは、その後も隠れてソニーたちとの関係を続けていた。
カロジェロは、父の運転するバスに乗り合わせた黒人の女性に恋をする。彼女の名前は、ジェーン。波乱の予感。
ソニーも、ソニーで、カロジェロを本当の息子のように思い、悪い仲間との付き合いを辞めるように諭したり、自分の真似はするなと助言したりする。
学校でジェーンと再会し、タイミングを見計らって、話しかける。
ムカつくという理由だけで、黒人に殴り掛かる仲間たち。
意外にも、ソニーは、ジェーンとの恋を応援してくれる。車を貸してくれるだけでなく、アドバイスまでくれる。ドア・テスト、人間性を見るには、理にかなってる。
一方、ロレンツォは、黒人差別発言をし、ジェーンとの恋を反対する。
一概にどちらの父親の教えがいいとも限らない。物事の多面性。
デート当日、先日仲間が暴行を加えた黒人の1人がジェーンの兄で、言い争いになり、ついカッとなったカロジェロは黒人差別発言をしてしまい、ジェーンに見限られる。
そんな矢先、ソニーに冤罪をかけられそうになり、更にむしゃくしゃしたカロジェロは、仲間たちとともに黒人たちへの襲撃に加わる。
やばい予感を察知しながらも、居場所を守るのに必死なカロジェロは、助手席で黙りこくったまま。頭の中では、2人の父親たちの忠告が木霊する。そんな時、ソニーがカロジェロを連れ戻しにやって来る。
街に戻ると、ジェーンは待っていた。誤解はとかれ、つかの間2人は結ばれる。そして、仲間の計画を思い出し、急いで後を追う。
しかし、襲撃は行われた後で、仕返しのはずが逆に投げ返された火炎瓶で火だるまになった仲間の車を見つける。
結果、ソニーは命の恩人となった。カロジェロは、ソニーに会いにいくが、因果応報か、ソニーは自分のバーで、8年前に殺した男の息子に撃たれ、カロジェロの目の前で死亡する。カロジェロに笑顔を向けながら。報復。ソニーも、自分の最期はなんとなく、察していただろう。それでも、カロジェロのことは、本当に愛していたのだと思う。自分のようになって欲しくないと言ったのも、本心だと。カロジェロの命を救った直後、あの世へ旅立った。
ロレンツォも、ソニーの葬式に現れ、本心と感謝を伝える。2人の父親は、似ても似つかない在り方をしていたが、ともに、カロジェロを愛していた。彼らなりのやり方で。
「才能の無駄遣いだ」
人生は選択次第。
どちらにしても、カロジェロは、あの日、事件の目撃者となった時から、運命の歯車は大きく動き始めてしまった。
音楽が素晴らしい。
カツラの頭、本当にヅラだった笑
いきなり理由もなく、殴り掛かるの酷すぎる。人種差別の意味がわからない。白人至上主義ってなんであるんやろ。個人として見ろよ。人種でくくるな。
にしても、つるんでる仲間たちがろくでもなさすぎる。と思ってたら、ろくな死に方しなかった。