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ある子供のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ある子供(2005年製作の映画)
4.8
   20歳のブリュノと18歳のソニアの間に男の子が生まれた。ジミーと名付けた赤ちゃんをソニアは母親らしく世話するが、ブリュノは父親になった実感などなどく、職につかず、盗んだ盗品を売った金で生活をするという変わらぬ毎日だ。
そしてソニアが目を離したスキに、彼は赤ん坊を闇取引の女に売ってしまい、そのことを知ったソニアは卒倒。
病院に担ぎ込まれてしまう。事の重大さに気づいたブリュノは赤ん坊を取り戻そうとするが…。
自分の部屋を貸さなければならないほど貧困に苦しむソニアと父親になったのに泥棒を辞めようとしないブリュノの子供を育てるのもぎりぎりなどん底貧困生活を、「少年と自転車」のダルデンヌ兄弟十八番のドキュメンタリータッチで描く悲痛な描写で描いています。
目先の金目当てで自分の子供を売るブリュノ、そんなダメンズなブリュノを頼りにするしかないソニア、たしかに愚かだけどそんな親でも必死に子供を育てる姿は、たしかにある現実と底辺の人の姿を見る者に見せていて、「あなたはどう向き合いますか?」と突き付けています。
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