りょうすけ

ウディ・アレンの重罪と軽罪のりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ウディ・アレンの重罪と軽罪」

富も名声もあるが、愛人に翻弄され、殺し屋を雇ってしまう眼科医と、夫婦関係も仕事も上手くいかない売れないドキュメンタリー映画監督を描いたシニカルコメディ。

二人の人物が交差するのはかなり終盤で、それまでは各々の物語が同時並行で描かれる。前者は殺人から自責の念に駆られるまでをドラマチックに追っていくが、後者はいつものウディ・アレン風な作風で、スカした男の人生観についての話が描かれる。

ウディ・アレンの映画は苦手なのだが、この作品は結構面白かった。ウディ・アレンの方はいつも通りだなぁと思ってみてたけど、眼科医の方は、人を救う手を血で汚してしまった男が、罪の意識で苛まれている様が興味深かった。最終的な結論が映画と実際は違うというのが、ウディ・アレンの自虐の様な気がしてくるところもいい。

またウディ・アレンの映画はビスタのイメージが強いのだが、本作はシネスコで作られており、映像が凄く良かった。他の方のレビューで知ったのだが、ベルイマンの撮影監督を招いて作った作品らしい。
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