広い海

おとなのけんかの広い海のレビュー・感想・評価

おとなのけんか(2011年製作の映画)
5.0
一言で言うと、【極限まで取りつく島の無い、非常に大人げない喧嘩】の映画。

観る前の考え【まあ、おとながけんかすると言っても、分別がある大人なんだろうし】

観た後の感想【怒り狂ったジョディ・フォスターの首筋と顔面の血管が凄い。苦笑いが止まらない】

簡単に説明すると、子ども同士のケンカで、前歯を2本折られた子の夫婦(ジョディ・フォスターとジョン・C・ライリー)の家に、
折った側の夫婦(ケイト・ウィンスレットとクリストフ・ヴァルツ)がお邪魔する所から話は始まるのですが・・・

ジョディ・フォスター・・・一見、正義に基づいているように見えて、独善的で、彼女の考える「正しさ」は有っても、「優しさ」は薄い優等生タイプ

ジョン・C・ライリー・・・物分りがよさそうで、温厚そうに見えて、周囲に波風を立てない事なかれ主義で生きているため、そこを突かれると逆上する、一見良い人タイプ。

ケイト・ウィンスレット・・・外見や、他者にどう観られるかを人一倍気を遣っており、体裁などを保つ意識が強く、いつの間にか体裁を保つことが手段ではなく目的化しているタイプ。

クリストフ・ヴァルツ・・・優秀な弁護士にも関わらず、妻や子どもに対する関心が無く、仕事にしか興味が無いので、大事な話の途中でも、平気で携帯に電話をし、子どもを守るために法的な手段を講じるなど、全くしない、ある意味開き直りタイプ。

こういった一癖もふた癖もある、いろんなものをこじらせてしまった大人達が、
最初は「社交辞令」や「良識」や「体裁」などを気にしながら、話を進めていくうちに、
ちょっとした勘に触るような一言がきっかけで、大きな地雷を踏み続けた結果、
取り返しのつかない程に、意識的にも、肉体的にも腹の底をぶちまける様になってしまうという話で、苦笑いが止まりません。
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