高橋早苗

あなたになら言える秘密のことの高橋早苗のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

…観るたび
癒されるって こういうことなんだよな。と感じる映画^_^


「名前は コーラじゃない?」と言われ
「(はいそーです)コーラでいいわ」と返すあたりが
…おねーさん、仕事終われば帰る気満々ですw


傷つき悩む人ってそう。
もとより 傷も悩みも 晒す気などない。

話したところで どうなるもんでもないと 知ってるし
傷の深さの分だけ 思い出したくもない

けど いつもいつも 目の前に それはある
(だから「悩んでます」と誰かに言えるのは 実はかなり前進^_^)


ハンナは 人の話には付き合っても 自分の話は、となると逃げる
他人に理解などされるものじゃないと わかっているから

それでも 本の話のついでのように 話し始めたのは
わかってほしいと 願う心の現れ。

自宅と 会社を往復する日々から離れて
違う人に会い 人の話を聞き
人が作った食事を平らげ
人のジョークに笑う

そんな下準備ともいえる 小さな変化があって
さらにジョゼフの 秘密の告白が後押しをした
だから 彼女の口をついて出たのですね



その“ジョゼフになら言える秘密のこと”は かなりの衝撃で
さらさら淡々と 話していく彼女に思わず
…だっ、大丈夫かい?と声をかけそうに いや、そんな隙もなく独白は続いて。


「友だちの名は?」と聞かれて
泣きながら「ハンナ」と告げる声
・・・死んだ友の名を 名乗って生きてるのか?と、これまたビビる^_^
(本編は解説なし。ことの真意は明かされず)


どちらにも取れますね
生き残った者の 恥じる気持ちが
親友の名を名乗らせる

親友を辱めたくない思いが
自身の名を名乗らせる

…ご覧になった皆さまは
どちらと受け取るのかしら?


いずれにせよ 目も見えず ベッドに縛り付けられ
自分が 世話をしなきゃご飯もトイレも何もできない男が 相手だったから 言えたのだなぁと
…ジョゼフの手をとり 胸もとの傷痕に指をなぞらせる仕草を観て 感じました


ジョゼフも 視界を塞がれ 暗闇の中でそれを聞き ハンナの涙に 傷に触れた
だから カウンセラーから「ロマンティックね」と一蹴される行動にも 出られたわけね~(´∀`)


秘密の告白が 衝撃的すぎて
エンドロールまであっさりすぎて
観てるこっちは 色々追いつかずw
魔法かお伽話でも観ているような 気持ちになるのだけど


いつもと 違う場所へ行き
いつもと 違う人に会い
いつもと 違うものを食べ
いつもと 違う音を聞き
いつもと 違うものに触れる
いつもと 違うことを話す
↑ハンナの場合は、頭の中のひとり会話を離れて、ジョゼフと話したこと

それから 相手の秘密を知ったこと
↑親友の女を愛したこと、父から受けた仕打ち

だから、自身の“秘密のこと”を口にできた
自身の外に出して 一緒に眺めてもらった
↑見えない彼には 触れてもらうことでね


ラストシーンの彼女は
ニコニコ笑うわけでもなく テンションUPさぁ行くぞー!でもない

ただ、ただ 静かな時間の中にいる



癒される時って
映画を観ての感情の上がり下がりとは
違うところ、なのよ。
高橋早苗

高橋早苗