涙は止めることはできない。
過去は消せないから。
どうしようもない虚しさは前触れもなく訪れてきて忘れることなんかできるはずはないけれど、消せない傷を互いになぞったら、未来を見る勇気も出るかもしれない。
君の涙を無くすことができればいいけれど、僕にはそんな力がないから、君の涙で溺れないように泳ぎを覚えよう。
とにかく、目的もなく闇の中歩いているだけの景色が後半に向けて綺麗な澄んだ朝焼けが見えてくるようなそんなストーリー。
静かで繊細、淡々としているのに抱えているものは想像していた以上に重くショッキング。
だけど、主役のサラ・ポーリーとティム・ロビンスの雰囲気が物語の空気を柔らかくして、泣きながらも笑顔になれる、そんな不思議な作品でもあった。
どうしようもなくて誰にも分かってもらえるはずもない深い心の傷を癒せるのは、悲しきかな同じくらい傷を負った相手だけで、この2人でならきっと、何か違った未来を築ける気がしたからこの後の2人の物語をぜひ観てみたい。
