ピュンピュン丸

恐怖の報酬のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

恐怖の報酬(1953年製作の映画)
4.2
再鑑賞。大すじは覚えているものの、途中経過も結末もすっかり忘れていたので、再鑑賞にもかかわらず、かなり楽しめた。

ニトログリセリンという物質の恐ろしさをこの映画で初めて知ったが、ちょっとの振動でもダメというのはかなりの緊張感。笑笑

でも一番印象に残ったのは、泥沼のシーンだなぁ。

『恐怖の報酬』とあるが、別段特別な条件下の話というふうにはとれず、初めて見たときから直感的に、現在の資本主義社会の姿を非常にリアルにデフォルメして抉り出した作品のように思えた。被用者と使用者の関係の本質は残念ながらコレでしょ。

お金に囚われた人間たちの人間模様が面白い。特に、平常時とは異なる人間関係の強者と弱者の入れ替わりが面白い。

イブ・モンタンは、お金に囚われた人間の狂気へと向かうさまを見事に演じて見せている。

美しき青きドナウのワルツの調べに乗せて、トラックが軽快に走り出したとき、まさかと思ったが…。