このレビューはネタバレを含みます
これ以上に美しいラストカットを知らない。
目が覚めたら10年も時が過ぎていて、家族が自分の知らないうちに離散していた。
家族内の大きな変化に自分が関係できないってめちゃくちゃキツい。主人公が宗教に陶酔する父親に「それって俺のせい?」と聞いたのがすごく分かる。自分のせいであってほしい。自分抜きで物事を進めないでほしい。まるで本当に自分が存在していないかのように。そして舞台から降りた役所広司と哀川翔。終わらせることができたのだろうな。大杉漣の狂言回しはさすが。
回復していく家に対して溜まっていく不法投棄のゴミ、その物憂さ。
俺、存在した?お前は確実に存在した!