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空想天国のmitakosamaのレビュー・感想・評価

空想天国(1968年製作の映画)
2.9
谷啓主演作で、クレイジーからはハナと桜井が競演。
何と言っても谷啓の芸名の元ネタである“ダニー・ケイ”が主演の「虹を掴む男」をストーリーの下敷きにしていること。あたかも谷啓の原点を再構築するような映画だね。

クレイジーシリーズで谷啓主演作は例外無く、人が良いがドジなダメ人間設定。
今作も空想癖のある主人公-田丸(建設会社設計士)が失敗に失敗を重ねる。空想上では大活躍でも現実ではダメなのでギャップが痛々しい。
ライバルに宝田明。キザでいつも女を口説いている。ただ仕事が出来る設定は無い。ただただ鼻につくイケメン設定。宝田明によく似合ってるわ。
部長役に藤岡琢也。これまたいつも怒られてる。ヒロインは酒井和歌子。

空想シーンは楽しい。チャンバラやったり西部劇やったり。
ただもう現実シーンがあまりにもダメっぷりで、危なっかしくて見てられない(笑)
ドアを開ける時に変なアクションをルーティンするなど、相当ダメッ子キャラクターなんだ。

守衛に格下げにされて、産業スパイの騒動に巻き込まれてから話が動く。最初スパイに間違われて警察に追われる。刑事役にハナ・桜井。
この辺りはテンポがいいだけに、前半がもう少し詰まればなぁと思うな。

谷の空想上での話し相手である、カエルの“ガマラ”。ケロヨンのパチモンなんだがブッチャケてオリジナルのケロヨンに比べて不細工だよなぁ。声は谷啓が声色を変えて吹き宛ててる。一応、東宝特撮怪獣の括りには入るのよね。

ハッピーエンドで終わるがこれも空想なんじゃないか(笑)という疑惑が晴れない。危なっかしい主人公に、谷啓の人となりが役に伝わってくるわ。

個人的には爆笑問題の田中裕二でリメイクしたら合うんじゃないかと思う。
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