クリストファー・リー演じるスカラマンガの存在感が際立つシリーズ第9作目。原作者イアン・フレミングとクリストファー・リーが従兄弟関係にあったと、初めて観賞した後、かなり月日が経ってから知りました。
全体的にドタバタしたスタイリッシュとは掛け離れたスタイルのアクションが目立つが、適度に数が盛り込まれており楽しく観れる。再登場を果たすペッパー保安官も、前作と比べるとコメディリリーフとしての役割が分相応に与えられている。(思えば初登場時のボート・チェイスでくどく映ったのは、クロスカッティングを用いて肝心のアクションの繋ぎがスローダウンしたせいではないかと。)スタントを一発成功させたと聞く360度回転カー・ジャンプは必見。
一方で、空手道場の戦いではボンドが礼をする相手を蹴り倒す描写(最低だ笑)や、脱出する下りでヒップがボンドを置き去りにして車が走り去るシリーズ屈指の間抜けな展開(ドリフか…失笑)など、頭を抱えたくなる問題のシーンも多々拝むことができる。スカラマンガとの対決シーンはせめてもう一捻りアイディアが欲しかった。