『007』シリーズ、第9弾。
ロジャームーア“ボンド”、2作目。
「ボンド、、、ジェームズ、ボンド」
この名乗り方がこれまでのボンドも、これからのボンドも、本当に板についてる。
渋く、勇敢で、冷静で、女好きな“殺しのライセンス”、007。
前回のロジャームーアボンドは、比較的脱出や逃亡などのギミックや飄々としたボンドに楽しむ作品の印象だった。
それゆえ、乗り物が多かったり、僻地での単独行動が多かった。
しかし、今作はその前作の飄々さ、淡々と真相に迫る感じで、でも女性の懐に容易く入り込み、自分も痛い目見たりするロジャームーアらしさは残しつつ、これまでのボンドの渋さ、タフさみたいなものも戻ってきた感じ。
手狭な部屋でのむさ苦しい取っ組み合い、葉巻くわえる立ち姿、、、泥臭さと渋さ。
でも、流れで巻き込まれた組手はパパッと蹴り一撃。カーチェイスでも橋で車を空中アクロバットさせて乗り切る。
二枚目の紳士風でありながら、普通に罠に嵌ったり、反撃されたり。
そんなことやってる場合ではないのに女性とあっという間にただならぬ仲になったり。
この共存が唯一無二のロジャームーアボンド感。
しかも今回はよくわからないけど、アジアンテイストの昼間のロケーションも多く、彼の行動範囲の広さや作品全体のスケール感も大きく感じる。
“黄金の銃を持つ男”、殺し屋。
クリストファーリー、彼もまた渋さの代名詞みたいなダンディズムを醸し出す素敵な男、だけど金で簡単に人を殺す殺し屋。
射撃のプロが金で動く殺し屋となり黄金の銃を持つスカラマンガなるその男から殺害予告のような便りを受け、ほとぼりが冷めるまで保護下に置かれるかと思いきや。
逆にチャンスとその殺し屋に自分から近づきに行くストーリー。
ロケーションも明るく広々とした場面も多く、エキストラの人数規模もスケールアップ。
ボンドガールよりもあの空手少女たち、手下の小人、前回も出てきたけど今回も途中で相乗りして巻き込まれるあのうるさいおっさんなど印象に残りやすいサブキャラもいるし、エキストラ系も数も多い。
海外の色んなイベントに顔を出すことも多いので、賑やかさも絶えないので、ボンドの静けさもまた引き立ってた。
そして、モテすぎるロジャームーアボンドも健在。
次から次へと同じタイムングでそんなシチュエーションにしちゃって良いのかよ、、、良いんだな、彼なら。
という、羨ましいを通り越して不安になるモテ度合いと貞操観念。
相変わらず規格外の諜報活動。さすが“殺しのライセンス”。
最終的にはトンデモ兵器と謎の手動カラクリ屋敷、さすがロジャームーアボンド。
そんなチェックの背広をお洒落に着こなせるのはあんただけだよ、ロジャームーア。
F:1834
M:4003