菩薩

ブレインデッドの菩薩のレビュー・感想・評価

ブレインデッド(1992年製作の映画)
4.8
斧やバール、もしくはショットガンなどを用いて頭部を確実に破壊し、既に止まっているはずの息の根を改めて確実に止めると言うのがゾンビに対しては最も有効な手段であると思っているそこの貴方、そんな時代はもうとっくのとうに終わっていたらしいぞ。これからの時代はカンフーだ、ゾンビに対してはまずカンフー、カンフーは貴方の命と愛する人を守ります(嘘)。更に言えばそもそもゾンビに対して立ち向かっていく、もしくはその脅威から逃げると言うのがはなから間違っているのかもしれない、これからの時代は共生だ、ゾンビに餌付けをして飼い慣らし共に暮らす、これこそがきっと「ダイバーシティ」と言うものである。世の中には「常識」と言うものがある、だがこの映画は常識を破壊した先にこそ芸術が、そして感動があると言う事実を我々に教えてくれる。フードプロセッサー(ミキサー?)は食材を細かく刻む為にあるのではない、芝刈り機は芝を刈り揃えるためにあるのではない、人体は破壊される為にあり、血液は吹き出る為にその体内を駆け巡っているのだ。ゾンビにだって恋愛感情がある、恋愛感情があれば性欲も湧くし、湧いた性欲が交われば子供が誕生する…ってんなアホなっ!と突っ込まざるを得ないが、こいつがまた本作では主役級の活躍をするもんだから「だよね」の一言で済ませてしまいたい。血糊の量で言えばきっと『自殺サークル』や『地獄でなぜ悪い』の園子温に分があるであろう、だが質に関しては圧倒的に本作に軍配があがるし、その好感度も高い。確かにぐちゃぐちゃしているし、ショッキングと言えばショッキングでしか無いのだが、果たして一応は「ホラー」で括られるこの作品を怖いと感じられる人がいるのだろうか、そんな人はきっと、とても幸せだろうと思う。とりあえず俺は、死ぬほど笑って多分死んだ、そしてあえて言おう、バッカじゃないのピーター・ジャクソンwwwww(大草原不可避、と言うやつだ)と。
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