タマル

いまを生きるのタマルのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
1.5
『きっとうまくいく』の元ネタと思われる映画。今を生きる今を生きる、と自分を鼓舞する描写とか、自殺とかが。

個人的にはのれなかったかも。
グットウィルハンティングの数学の先生じゃないけど、勉強って無理やりやるもんだと思うんだよね。そこにどう楽しみを見出すかはあくまで個人の領域であって、極端な話、できれば自然に楽しいし、できなければ人に何を言われても楽しくないじゃない。
私も高校生だった時に言われました。

「大学に入ってから好きなことをしなさい」
「楽なほうに流れると後で地獄を見る」
「学歴次第で収入にこれだけ違いが出ます」
「あなたたちが勉強してる間バイトだけして1日を終える人たちがいる。その人たちは実質的にバイトのまま一生を終えることになります」

とかなんとか。
大学に入った後の豊かさは提示するくせに、そうでない場合の人生をどう豊かに過ごすかは教えてくれはしない。でも、まぁそれでいいと思うんですよね高校なんて受験対策施設だし。好きにやりたいならそもそも高校入らなければいいんだし。進学校入っておいて、進学したくないなんてそれこそ迷惑な話だと思いますからね。
逆に個人的にモヤった点は、優秀な高校に通うニールくんみたいな優秀な人間はドロップしてもどうせうまくやってくでしょ? というところなんですよね。専門分野作ってライターになるとか。独学で司法試験や公務員試験に合格するとか。マネーゲームの世界に身を投じるとか。プログラミングの特殊技能を身につけるとかさ。なんとでもなるじゃん優秀なら。そんな奴が高校辞めさせるだの転校させるだの言われて戦々恐々してる話見せられても知ったこっちゃねぇつーか。なんせ前に見た映画が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』だよ?
私はセルマみたいな(彼女ほどじゃないけど)普通の人が普通に出来ることが出来ないタイプの低脳人間なので、全然感情移入出来ませんでした。
あと、ニール君に駆け寄る時のあのスローモーションはなんなのよ? その後の「ニール! オーマイガー!」の白々しさも相まって、吹き出してしまいました。
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