kirito

手紙のkiritoのレビュー・感想・評価

手紙(2006年製作の映画)
4.0
【手袋】

「極めて悪質な犯行で、無期懲役が求刑される予定です。」

ある資産家の家を物色しているところに出くわした老女を殺し強盗殺人の犯人となった兄。
その兄は弟を大学に行かせるために働いていたが腰を痛めてしまった経緯があった・・・

これは加害者家族の物語。

どんな状況でも犯罪は犯しちゃダメ×
殺人はもっとダメ×
借金があるなら自己破産して、奨学金借りればいけたよ大学。
とまあそういう正論を振りかざしてはいけない話でもある(正確にはそう考えさせる構成になっている。)
とはいえ、その犯罪が一体どこまで親族に影響を与えるのかよく考えなければならない。

物語は兄と弟のお互いの手紙を読む感じで進んでいくが基本的には弟目線で描かれている。
人と関わらないように生きてきた彼にそれでも関わろうとする人物が現れ、そして恋も・・・

「君のお兄さんはね。それまで考えなきゃいかんのだよ。自分が刑務所に入ればいいというわけではない。君に与える影響を考えて反省しなければならない。」
「ここからはじめるんだよ。こつこつと」
「差別のない場所を探すんじゃない。君はここで生きていくんだ。」
ケーズデンキの会長・・・この人すごいとおもったし、この会長とのやり取りだけで泣いた。
こういう人がトップだと心から頑張ろうと思えるよね。

この題名の「手紙」の意味は兄と弟の手紙の意味だけではなかった。

とにかく最後は号泣必至。
ただ、小田和正の曲は致命的にあってなかったので選曲ミス。

※撮影地千葉刑務所
 しかし、山田孝之の工場の服装とか缶コーヒーのBOSSのCMかとおもった。
※沢尻エリカやっぱ好きだわ・・・
なのとこの役の人が完璧すぎて・・・

でもあとから考えると「弟のために犯罪を犯してしまった」「一人の人を殺した」というプラスとマイナスの絶妙な犯罪に設定しているところうまいなと。

2020.3.13
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