このレビューはネタバレを含みます
「三つ数えろ」など、アメリカの探偵ものって事件の辻褄よりテンポを重要視している映画が多い気がする。この「キッスを殺せ」もそうだけど、ただ他の映画と違うところは主人公のハマーが捜査する事件の重要なものが敢えて最後まで語られていないこと。その結果、いつものマイク・ハマーもののように女に異常にモテて、どんな犯罪者にも立ち向かうアウトロー探偵の活躍を見ているはずなのに、不穏な影が作品につきまとい見ているこちらは不安に襲われる。その不安がラストで一気に爆発する。
アルドリッチの演出もこの当時としては過激な暴力描写を展開し、冒頭の女が拷問されるシーンなんてどういう手口で痛め付けているか直接的に見せない分、より見る人に嫌な気分を植え付けさせる。あとハマーに協力する車の修理工に対して口封じするためチンピラたちが文字通り車の下敷きにさせるシーンは結構強烈。
ただ今見るとラストは突っ込みどころ満載だなー、マイク絶対被爆してるって
