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レナードの朝のneroliのレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
4.5
■現実のどの医師も「どうにかして治そう」と頑張っている💊■
 
 
「嗜眠性脳炎」という疾患。

後遺症で、パーキンソン症候群や嗜眠状態を起こす。
現在は終息している。
 

その治療にあたった神経科医オリバーと治療内容のお話。
実体験に基づいた映画であるが、ペニー・マーシャル監督が少し再構成している。
 
 
まず、神経科医と精神科医では扱っている病気が全然違う。
 
本作の疾患は内科の中の神経内科の疾患であるので、我々の扱っている疾患とは全然違う。
 
しかし、医師としての姿勢は一緒なんだな〜と感じた。
こう言った難治性というか未知の疾患というのはどの科でも起きる。
 
そういった時に「どうにかして治したい」と試行錯誤する姿はどの医師でも同じであろう。

今回は、残念な結果に終わったが、試行錯誤することで医学が進歩していると感じる。
 
 
治療が残念な結果になった時、主人公セイヤーが落ち込むシーンがある。
 
あの気持ちはよく分かるな〜
 
患者を一生懸命助けている時は、友達を治すかのような気持ちで接している。
しかし、うまくいかないと文句言われたりして人間関係が崩れる。

治療を行ったことへの後悔や、罪悪感すら抱くことがある。
 

私の知っている医師のほとんどはセイヤーみたいな医師が多いと思います。
 
 
 
 
■患者さんの治療を通して人との交流を楽しめるようになった医師■
 
 
セイヤー医師は、元研究医。
人付き合いが苦手なので研究医であったが、今回なぜか臨床医として病院で働くことになった。
 
私は、臨床現場においては、人間ドラマが渦巻いていると感じる。
気持ちが動かされる場所である。
 

今回セイヤー医師が、患者レナードに対して治療を行う際、友人のような気持ちが湧き起こり、心的交流が起こった。
 
セイヤー医師の臨床経験がセイヤー医師自身の心を豊かにした。
 
セイヤー医師は、患者さんたちとの交流を通じて、生きていることの素晴らしさ、家族の大切さに気付かされた。
 
そのことで、看護師エレノアとの距離が縮まった。

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