安堵霊タラコフスキー

フェリーニのアマルコルドの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)
4.9
タイトルのアマルコルドが「私は覚えている」という意味だと初めて知ったが、その言葉の通りフェリーニが青年時代を生きた1930年代中頃の故郷の風景を描いた作品で、脚色が入ってるのは明らかだがフェリーニ独特の変態的センスと故郷への愛情が凝縮されていてとても愉快で愛すべき作品となっている

しかしつくづく人間の感性とは変わるものだと我ながら思うが、最初見たときはストーリー至上主義でしっかりした物語が無いと良いと思えず、この映画に対してもイマイチな印象だったのだけど、最近になって見返したら映像が面白いからそれだけで満足してしまい、若かった癖に凝り固まった当時の自分の感性が情けなく思う

ところでこの映画のようなフェリーニ作品の影響を強く受けたであろう監督にエミール・クストリッツァがいるが、フェリーニと似たようなセンスを感じさせる映画をデビュー当時から作っていたら、カンヌ等で期待の新人と持て囃されるのも当然だよなと影響元を見て改めて思う