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誰がためのmhのレビュー・感想・評価

誰がため(2008年製作の映画)
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ポーランドが舞台の戦争映画はいっぱいあるけど、同じドイツの隣国でも圧倒的に数が少ないデンマークの映画。加えてなんだかんだでめずらしいレジスタンス視点で興味しかない一本。
占領しているナチスドイツ軍はもちろん、ゲシュタポなどナチスドイツの機関に協力している自国民が許せないというエピソードがあった。フランスでいう親独義勇兵みたいなひとがいたのかもしれないし、そういう方がむかつく気持ちはよくわかる。
冬戦争に参加していた者がこの映画のレジスタンス「ホルガ・ダンスケ」に流れてきているとのこと。
若くて冷酷なフラメンと、薬物中毒のシトロンが主人公。白昼の町中だったり、相手が女性だったり、主役ふたりは次々と暗殺していく。
レジスタンス内部に不穏な動きがあったり、マッツミケルセンには妻子との不仲があったりする。
北海に隔てられているもののイギリスとも隣り合ってて地理的な背景も面白い。
身を捨ててレジスタンス活動をしてるいっぽうで無職ニートの旦那さんという設定がとてもリアル。
全滅ラストにはある種の爽快感もあった。
マッツミケルセンは常に汗だく(で、薬物中毒を表現してたり)と、マッツミケルセン大好き勢にとっても満足度が高い仕上がりになってる。
また、「ハイドリヒを撃て!」で見たのと同じ白いカプセル(青酸カリ)が出てきた。ロンドンが用意する自決用毒物は青酸カリと相場が決まっていたのかもしれない。
画面の色味がジャケットのような風合いで、そういうのも含め面白く見た。
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